後を継いで十年、女だからという周囲の目も変わり、これからがやっとスタートと真理子さんは言います。そして昨年より柴田真理子ではなく、父の名『柴田玉樹』の名を受け継ぐことにしました。「戦後に日本の価値観が変わってしまったように柴田家もまた変わったのですから、これからは伊衛門、吉衛門ではなく玉樹の名を受け継いでいきたいと思います」と真理子さん。
「継いでくれるかは別にして、後に続く息子たちのためにもきちんとした仕事をし、十八代目玉樹として後世に残る作品をつくりだしたいと思います。でも、生活に根付いた器づくりという部分は、昔と何ら変わることはありません。おひつやお弁当箱は、ゆうに10年は持ちます。それくらいきっちりしたもんばつくっているつもりです。そして使い込まれたおひつやお弁当箱は、年月が経つうちに木肌に独特の光沢が出て、手になじんでくるのです。私の曾祖父が戦前につくった寿司桶はまだ現役で活躍しています。そうやって何代にもわたって大切に使ってもらえる製品をつくることは喜びでもあります。」
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