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気持ちのよい体づくり

森山 暎子さん スタディオパラディソ代表 森山 暎子さん

日本人初、アメリカエアロビックフィットネス協会認定インストラクターの資格を取得。1986年、スタディオパラディソを開設。中高年を対象にしたエアロビックダンスの指導、官公庁、企業での講演。福岡大学スポーツ科学部非常勤講師、健康運動指導士(厚生労働省)、(社)日本フィットネス協会代議員中、高齢者フィットネス研究会代表。その他、とびうめ国体の開会式集団演技企画振付。NHKをはじめスカイパーフェクトTV「はーなの健康づくりレシピ」などで活躍。

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●三世代が集うスタジオ

 代表の森山さんは、運動生理学に基づいたニコニコペースを取り入れた独自のプログラム、パラディソ体操で、親・子・孫と三世代が通えるエアロビクススタジオを20年前より開設。医療施設・保険センターや企業などで中高年を対象に、生活習慣病の予防と改善、転倒予防・介護予防などを目的にレクチャーや講演活動を行い、指導者の育成にも携わっています。近年、街の中心部より、住宅街の一角にスタジオを移転。子どもからお年寄りまで、つっかけを履いて通える場所、そして兼ねてからの自分の思いを実現させるための新たなスタートを切りました。

 妻であり、子ども会にも熱心に参加する母親でもある森山さん。スタジオでの通称は「はーな」。柔らかくて、その場をぱっと花が咲いたように明るくする、側にいるだけで元気になってくるような森山さんの雰囲気に、「はーな」はぴったりのネーミングです。


ゆっくりしたペースで楽しく体を動かす介護予防クラス。市の委託で、特定高齢者は無料でこのレッスンを受けることができます。デイサービス以外で認定されているのは、パラディソだけ。

●エアロビクスとは何?
  大学時代にエアロビクスと出会ったはーなさんは、卒業後、本格的にエアロビクスを学ぶため、発祥の地、アメリカのロサンゼルスへと渡りました。その頃はちょうど女優のジェーン・フォンダが「ワークアウト」というエアロビクスのスタジオを開き、世界の注目を浴びていた時期でした。

 ところが、その頃のエクササイズというのは、今流行っているビリーズ・ブート・キャンプのような、若者向けのハードなものばかり。そこに疑問をもったはーなさんは、独学で書籍を集めて、エアロビクスとは本来どういうものなのかを学びました。エアロビクスというのは、英語のaerobic(酸素の、有酸素の)という意味から、酸素を多く取り入れる運動とそのプログラムを総称したもので、1967年、アメリカの軍医ケネス・H・クーパー博士が開発。クーパー博士は自分の所属する空軍の兵士の体力、とくに呼吸・循環器系に関係した体力を向上させるため5000人のデータをもとに研究。12間テストと呼ばれる体力測定から体力区分を行い、その運動区分に応じた運動プログラムを開発したのです。

 「そうです、エアロビクスというのは、息がはずむくらいの運動を10分以上続けることを総称したもの。ならばそのいちばん身近なものはウォーキングですし、盆踊りや水泳、卓球やテニスもそうなのです。そしてその息の弾み具合が運動強度ということになるのです」

 エアロビクスがただいたずらに体を鍛えるためのものではなく、きちんとしたデータに基づいた理論であること。エアロビクスで得られる持久力は、肥満などの生活習慣病の予防や改善にもつながることがわかりました。そして、その運動強度を意識することによって、どんな年齢の人、体力の人にも合う運動が提供できるのだということを、彼女は確信したのです。


●ニコニコペースでどの世代の人たちにも合う運動

 帰国後、はーなさんは福岡大学スポーツ科学部運動生理学教授、進藤宗洋・田中宏暁両先生をたずねニコニコペースを勉強。(この理論は、WHOの高血圧連盟の運動処方として推奨されています)「ニコニコペースとは自分の体力の50パーセント。ちょっと息がはずむくらいのニコニコ笑いながらできる強度の運動で、十分に体力を向上させることができるというもの。しかもこの理論は医学と運動生理学の教授が長年にわたって協働研究したもので、きちんとしたデータとしてその効果が立証されたものなのです」。彼女はニコニコペースの理論を取り入れて独自にプログラムを開発しました。それは老若男女を問わず楽しく安全に体づくりができるもので、一般にエアロビクスとは違うことを理解してもらうために『パラディソ体操』と名付けられました。

 そして、はーなさんは、弱冠25歳の若さで、自分のスタジオを開きます。『スタディオパラディソ』のパラディソとは、楽園という意味で、心と体の楽園をつくりたいという彼女の思いが込められています。

 「私がスタジオを開いた時代は、エアロビクスが若者にすごく人気のある頃でした。そのまま流行に乗ることは簡単だったかもしれません。でも私には、今よりももう少し先の、長い人生を通した健康づくりをしたいという強い思いがありました。現在、日本ではメタボリックシンドローム予防や、介護が必要にならないための健康づくりが叫ばれています。その言葉が、今になって私たちが取り組んできたことに、すっぽりと当てはまるようになってきました」とはーなさん。「好きな言葉は『継続は力なり』。自分が自分らしくいられること、こうと信じたことをやり続けた先にある喜びみたいなものを、40代になって本当に実感しているし、続けさせてもらっていることに感謝しています」と晴れやかに微笑む。


行政の要請を受けて、保健福祉センターなどで、中高年の健康づくりについての講演や運動指導を行うはーなさん。

●健康づくりのための運動に国や自治体も援助補

 「厚生労働省は健康づくりのための運動指針2006で『1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬』をキャッチフレーズに、健康づくりにおける運動の重要性を示しています。医療機関も健康運動指導士をスタッフに加えるなど運動による健康づくりはますます広まっています」とはーなさん。また、昨年より、地域抱括支援センターを通して特定高齢者として認められれば、無料でエクササイズが受けられるようにもなったそうです。特定高齢者の認定は、足もとがおぼつかなかったり、転倒したりしたことがある方が対象だそうで、福岡ではスタディオパラディソと、各地のデイケアセンターや医療機関で無料の運動指導が行われています。


■特定高齢者って何?

 65歳以上で生活機能が低下し、近い将来介護が必要となるおそれがある高齢者を指します。介護予防の観点から行われる健診の結果、生活機能の低下が心配される人、要介護認定の非該当者、保健師などが行う訪問調査などの結果、生活機能の低下が心配される人などが該当します。「簡単な食事で栄養が偏っている」、「お茶や汁物でむせる」、「買い物の釣り銭が合わないことがある」、、「薬の飲み忘れが多い」、「気分が落ち込んでやる気がおこらない」、「楽しんでやれていたことが楽しめない」、「近所付き合いが最近へってきた」、「いすから立ち上がるのが大変」、「階段や段差の昇り降りが大変」、「トイレまで間に合わない」などの特徴があります。そして、認定を受けると、運動機能向上だけでなく、栄養指導、口腔機能向上などの介護予防プログラムにも参加できます。

 特定高齢者の認定は、主に各地の『地域包括支援センター』で行われています。しかし、センターがなかったり、地域によって名称が違う場合もありますので、詳しくは各市町村にお問い合わせください。


●秘訣は楽しく続けられること

 最後に中高年の方の運動についてアドバイスをお伺いしました。

 「運動前には必ず医師の健康診断をお薦めします。また、痛みを伴うような運動は避けること。そしていちばんの秘訣は、楽しく長く続けるために、自分が好きな運動を選ぶことです。飽きっぽくても大丈夫。水泳の次はテニスと好きな運動を次々にやっても、運動を続けていることに変わりはありません。笑顔のでるニコニコペースで、気持のいい運動を続けてください」。

 はーなさんの今後の夢は、独居老人の方々にお電話したり訪問されているボランティアの方々に運動指導をすること。訪問先で高齢者の方々に運動を教えられるようにできたらいいなと考えています。しかもボランティアの方たち自身、高齢者であることが多いので、お伝えする側とされる側の両方がお元気になる。そういった形で運動する人の輪が広がっていけば嬉しいなと思っています。


歩くのが楽になりました!
介護予防教室へ通い始めてとてもいい変化がありました。まず、道を歩くのが楽になりました。以前は駅まで歩くのに他の方によく追い越されていたのですが、この間はなんと他の方を追い越してしまいました!階段をのぼるのもスムーズになったようです。
股関節がしっかりしてきたのを感じています。

←体験談を語ってくださった宮田さん(84才)とはーなさん。





転倒防止&外反母趾の予防に
タオルギャザー

足の指をしっかりと開いて、タオルをギュッとつかみます。足の指を「グー」「パー」と動かして、タオルを寄せていきましょう。足の指でタオルにギャザーを入れる感じをイメージしてください。できるようになったら、小指からつかんでみてくださいね。足の裏全体でしっかりと地面をとらえることができるようになるので、転倒予防につながります。土踏まずの筋肉を鍛え、外反母趾の予防にも有効な運動です。



背筋を伸ばして美しい姿勢に
腕のばし

まず、片側の足に体重をかけ、同じ側の腕をまっすぐにのばします。助骨と骨盤の間を伸ばす感覚で行います。左右それぞれ気持のいい程度にのばしましょう。とても簡単なストレッチですが、お出かけ前にすると、骨盤が立って背筋が伸び、歩くときに正しく踵から踏み込みやすくなりますので、ぜひお薦めです。


リポーターかずりんの取材こぼれ話 ■お問い合わせ
福岡市南区平和1-2-23 森山ビル4F
TEL 092-524-2245

■ホームページ
http://paradiso.ne.jp
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