レースは、十八世紀のフランス・ルイ十六世やマリー・アントワネットの時代に全盛期を迎えます。デザインも洗練を極め、優美で甘美な装飾性にあふれたものが次々につくられていきました。用途も、襟飾りや袖飾りだけではなく、裾かざり・胸飾り・帽子の飾りなど、高価なレースで全身を飾り立てるようになっていきました。
細い麻糸で織りあげられたレースは、熟練した職人でも一日5センチ四方がやっと。大作ともなると完成までに数年かかったといわれています。「しかも、一生使い続けることのできる宝石とは違い、レースは年を経るごとに古び破れたりするため、始終新しいものに取り換えなくてはなりません。それ故に、レースは宝石以上の贅沢品であったといわれるのです」と原賀さんは教えてくださいました。しかし、労働者が手にするお金は、売値とは比べものにならないほど少ないものだったといいます。そして、フランス革命後、貴族という最大の顧客を失い、また産業革命による安価な機械編みレースが大量に出回るようになったことで、ヨーロッパのボビンレースづくりは急速に衰えていきました。
そして、第二次世界大戦後、国の宝である、レースづくりの伝統を失ってはならないと、趣味としてレースづくりを学ぶ人が増え、現在に受け継がれています。 |