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【健康特集】「尿」について

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●尿は健康のバロメーター

 私たちがふだん、なにげなくしている尿は、不要なものを排泄する役割のほかに、目には見えない体内の変化やトラブルを知らせてくれる、健康のバロメーターでもあります。からだからの信号を伝えてくれる、尿について調べました。


●尿はどうやってつくられる?

 私たちは、食物、水、空気など生命活動に必要なものをからだに取り込み、不必要なものは外に排出しています。尿は、体内の血液から必要な栄養分と水分を取り去った後に排出される、廃液のようなものです。

 尿をつくるのは、腎臓です。腎臓は、老廃物や不要な物質を尿として排泄するとともに、血液中の水分や体液、栄養成分のバランスをととのえる重要な働きをしています。腎臓に送られてくる血液は、大人で1日になんと1・5トン。その中から必要なものは再吸収され、老廃物、余分になった水分が、尿として1日800〜1500mlつくられます。

 つくられた尿は、尿管を通って膀胱にためられます。膀胱は伸び縮みする筋肉の袋で、500〜600mlくらいまでためることができます。膀胱に尿が半分ぐらいまでたまってくると、「そろそろいっぱいです」という信号が脳に送られます。そうすると、「トイレに行きたい」と感じるようになるのです。

 尿の排出は、膀胱から出口までの通り道である尿道にある、尿道括約筋という筋肉でコントロールしています。

 ここでご説明した、腎臓から排出までの行程を、尿路といいます。


●尿の健康チェック

 尿の状態は、水分を多くとれば色が薄くなり、回数も増えるというように、いつも同じではありませんから、ちょっとした変化は気にすることはありません。ただし、異変が続いて気になるようであれば、泌尿器科や内科で診察を受けましょう。


  尿ににごりがありますか?
 

排尿直後からにごりのある尿は、腎炎や膀胱炎などが細菌に感染しているときにみられます。透きとおっているのが良好です。

 

  色はどうですか?
 

正常な尿は淡黄色から黄褐色です。 赤くなった場合は血尿で、尿路の出血や腎炎などが考えられます。また、肝機能に異常がある場合、褐色になります。なお、ビタミン剤や薬を服用しているために、赤やオレンジ色になることもあります。

 

  においはどうですか?
 

においも尿チェックの大切な事柄です。甘いにおいがした場合、尿に糖が混じっている可能性があります。

 

  量はどうですか?
 

飲んだ水分量によっても変わりますが、大人で1日800〜1500ml程度の尿が排出されます。あまりに少ない場合は、腎臓に何らかのトラブルも考えられます。

 

  回数はどうですか?
 

一日4〜6回くらいが普通です。しょっちゅうトイレに行きたくなっても、尿が少ししか出ないのは、膀胱炎や尿道炎、前立腺炎などの代表的な症状です。

 


●尿の異常とわかる病気

 尿に、次のような異常があらわれると、腎臓や膀胱、前立腺などの病気の疑いがあります。

血尿

尿が赤ワインのような色の時は、腎臓や膀胱の病気の可能性があります。血尿のほかに、むくみや動悸、手足のしびれ、疲労感、残尿感などの症状もともなう場合は、すぐに泌尿器科か内科の病院へ。

 

細菌尿・膿尿

尿が白く濁ったり、どろどろしていたりする場合、腎臓や尿路系が細菌に感染したと考えられます。この場合、排尿時の痛みや発熱、背中の痛みなどを伴うことが多く、放っておくと腎不全になる可能性もあります。

 

頻尿

排尿回数が異常に多い場合を頻尿といいます。尿道炎、膀胱炎など尿路が細菌に感染し、その炎症が刺激となって尿意をもよおすことがあります。たびたび、トイレに行きたくなっても、尿量は少ないのが特徴です。

 

多尿

排尿回数、排尿量とも多いのが、多尿。水分などを再吸収する腎臓の機能が低下していると、尿量が増えます。腎臓病でも長いこと腎不全が続いている人や糖尿病の人に多く、多尿になるまでには、ほかの症状により原因が分かっていることがほとんどです。

 

●尿検査でわかること

 病院で行う尿検査では、成分や性質を分析し、からだに不要な物が排出されているか、逆に出てはいけない成分がないかなど調べることで、尿路の異常や全身の臓器の状態をみます。

 病院で詳しく調べる以外にも、薬局で購入できる家庭用の尿検査試験紙によって自分で簡易に調べることもできます。ただし、異常がみられた場合は、病院で医師に相談しましょう。

項目 基準値
異常値を示す場合
pH(ペーハー)
健康な尿は、弱酸性です。
4.8〜7.5
pHは7が中性、7未満が酸性、7を超える場合がアルカリ性。
酸性に傾いたとき
発熱、脱水、腎炎、糖尿病、痛風など
アルカリ性に傾いたとき
尿路感染症など
尿糖
尿中のブドウ糖の有無を調べます。
(陰性) +(陽性)
糖尿病、肥満、すい炎、肝硬変など。腎臓の病気により陽性を示す場合もあります。糖尿病ではないのに腎性糖尿と言って、尿糖が出る人がありますが、体質なので心配ありません。
尿ウロビリノーゲン
主に肝臓の働きがわかります。
±(プラスマイナス)
多すぎる場合と少なすぎる場合が問題です。
+(陽性)
肝臓、胆道の病気が考えられます。ただし、溶血性貧血、便秘、発熱などでも陽性になることがあります。
−(陰性)
閉塞性黄疸、腎不全、急性下痢症、抗生剤投与時などにも見られます。
尿たんぱく
健康な人でも1日あたり40〜80mgの蛋白が尿に出ます。ただし、腎臓の機能に障害が起きると、たんぱく質が大量に排泄されます。
−(陰性) +(陽性)
腎臓の病気(腎炎、ネフローゼ症候群など)などが考えられます。
尿潜血(血尿)
腎臓や尿管、尿道、膀胱などに病気がある場合、そこから出血した血液(赤血球)が混じって排泄されます。
−(陰性) +(陽性)
腎臓の病気、膀胱や尿管、尿道の炎症、結石などの病気、また、血液が固まりにくい状態のときなどに見られます。

●人に言いづらい尿の悩み

 これまでみてきましたように、尿は私たちが生きていく上で欠かすことのできない大切な生理現象であり、体調を知らせてくれるバロメーターでもあるのですが、私たちは、なぜか、恥ずかしいものとしてしまいがちです。そして、ただでさえ隠したいことなので、からだに異変が起きて、がまんできなくなったりすると、ひとりで悩む人が圧倒的に多いようです。


●尿失禁は主に2つのタイプ

 急にトイレに行きたくなるが間に合わない。下着を着替えなければならないほどの尿がもれる。ギリギリになるまで気がつかない。頻尿になり、夜に何度もトイレに起きてしまう。こういった症状がみられるのは、「切迫性尿失禁」です。膀胱に尿がたくさんたまっていなくても、尿がもれてしまう「膀胱の不安定性」によるものが多くみられます。読者の皆さんの中にも悩んでいる方は少なくないと思いますが、「歳のせいだから」とあきらめずに、泌尿器科を受診すれば、治療法は見つかります。

 また、膀胱から尿道までが短い女性に多いのが、「腹圧性尿失禁」です。重いものを持ったり、激しい咳やくしゃみをしたときに、尿がもれてしまう症状です。出産や加齢によって、臓器を支える骨盤底筋という筋力が衰えてきたことで起こります。つまり、それを鍛えれば、悩みを解消することも可能なのです。


●体そうで「腹圧性尿失禁」を改善!

 自分の生活の中にうまく取り込んで、習慣づけましょう。1回の時間は短くても、回数をやるほうが効果も上がります。ただし、おなかには力を入れず、おしりのあたりを締めることがポイントです。


  朝晩おふとんのなかで
 

仰向けに寝て、ひざを立て、こぶしひとつ分くらい足を開きます。からだの力を抜き、肛門と膣を5〜10秒締めたら、30秒ほど力を抜いてリラックス。これを5回から10回くり返します。


  新聞や雑誌を読みながら
 

床にひじとひざをつき、四つんばいになります。ひじには、クッションや座布団をあてて、手にあごを乗せます。その姿勢で、肛門と膣を5〜10秒締めたら、30秒ほど力を抜いてリラックス。これを5回から10回くり返します。


  台所で
 

流し台やテーブルに手をついて、足と手を肩幅に広げます。体重を前にかけ、前の体そうと同様に、肛門と膣を5〜10秒締めたら、30秒ほど力を抜いてリラックス。これを5回から10回くり返します。


  テレビを見ながらや電車の中で
 

イスに座って上半身をリラックス。肛門と膣を締めて、リラックスをくり返します。



●外出時のくふう

 「切迫性尿失禁」の症状があると、出かけるのもおっくうになりますね。ちょっとしたくふうで、外出時の不安を軽くしましょう。

 ただし、水分を取らないのは厳禁です。特に高齢になると、のどの渇きに気づかずに、脱水症状になることもあります。コーヒー、紅茶、緑茶、アルコールなど、利尿作用の強い飲みものは避け、白湯などで水分補給しましょう。

○外出先や旅行先では、トイレの状況を事前に確認しておくこと。
○尿意を感じなくても、できるだけトイレで排出するようにしましょう。
○乗り物や映画館などの座席は、通路側を取るとトイレに行きやすく安心です。
○尿もれをしても隠せるように、おしりが隠れる丈の長い上着を。
○ズボンは、少し濡れても目立たないような色のものを。
○ズボンの股部分に、内側から防水スプレーを吹きつけておく。
○下着を脱ぎ着しやすい服装で。
○生理用のナプキンよりも、吸収力のある専用パッドがおすすめです。
○外出先や旅行先では、トイレの状況を事前に確認しておくこと。
○尿意を感じなくても、できるだけトイレで排出するようにしましょう。
○乗り物や映画館などの座席は、通路側を取るとトイレに行きやすく安心です。
○尿もれをしても隠せるように、おしりが隠れる丈の長い上着を。
○ズボンは、少し濡れても目立たないような色のものを。
○ズボンの股部分に、内側から防水スプレーを吹きつけておく。
○下着を脱ぎ着しやすい服装で。
○生理用のナプキンよりも、吸収力のある専用パッドがおすすめです。


今回の特集にあたり、参考といたしました。
「よくわかる最新医学 腎臓病」 主婦の友社 「気になるおしっこ」 小学館
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