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歯は健康のバロメータ 〜8020を目指しましょう!〜
 歯は健康と深い関わりがあります。ものをよく噛むことで、胃や腸に負担をかけずに体の全身へ栄養を行き渡らせることが出来ます。また、そしゃくは、脳の発達を促し、寝たきりやぼけ防止、肥満の予防などにも深い関わりがあるといわれています。
●8020運動とは?
 
  「8020(ハチ・マル・ニイ・マル)運動」は、厚生労働省と日本歯科医師会で展開しているキャンペーンです。「80歳になっても自分の歯を20本保とう」という働きかけで、一生自分の歯で楽しい食生活と健康な日常生活を目標に、自治体、各種団体、企業、そして広く国民に呼びかけてきたものです。

 成人は通常28本の歯を持っています(「親知らず」を除く)。そのうちの20本以上が自分の歯であれば、ほとんどの食物を噛み砕くことができ、おいしく食べることができます。

 厚生労働省は、昭和32年から6年ごとに「歯科疾患実態調査」を行なっています。


−20歯以上を有する人の割合(%)−
年齢(歳) 40-44
45-49 50-54 55-59
60-64 65-69 70-74 75-79 80-84 85-
平成5年 92.9 88.1 77.9 67.5 40.9 31.4 25.5 10.0 11.7 2.8
平成11年 97.1 90.0 84.3 74.6 64.9 48.8 31.9 17.5 13.0 4.5
平成17年 98.0 95.0
88.9 82.3 70.3 57.1 42.3
27.1 21.1 8.3

 平成17年の調査では、80歳で20本の歯を有する人の割合は、初めて20%を超えました。

 どの年代でも歯に対する関心や意識が上がっていることがわかりますね。

●歯は健康のバロメータ
 

 歯は、健康とも深い関わりがあります。

 歯を失ってしまうと、軟らかい食べ物を口にすることが多くなります。こうした軟らかい食べ物には、ブドウ糖やショ糖などの吸収の早い糖質が多く含まれるものが多く、血糖値を急激に上げる可能性があります。反対に、よく噛んで食べるような、噛み応えのある食べ物は、食物繊維の量が多く、脂質や糖質の量は少なめです。食物繊維は食品中の脂肪や糖質の吸収をゆるやかにします。例えば、糖尿病を持っている方にとっては、健康な歯を保つことが血糖コントロールにもつながるのです。

 歯を失う原因は、おもに歯周病と虫歯といわれています。とくに、歯周病に関しては、糖尿病、高血圧症や心臓病と同じ生活習慣病に位置づけられていますが、初期段階では自覚症状があまりないようです。

 歯周病には原因菌があり、それは歯垢の中にひそんでいます。歯周病の予防は、毎日の歯磨きできちんと歯垢を落とし、歯肉をマッサージして血流を促すことです。とくに寝ているときの口の中は、唾液の分泌量が少なく細菌が繁殖しやすい環境となっているので、寝る前は、特に念入りに歯を磨くようにしましょう。

●よく噛むことは健康への近道
 

 一度の食事で噛む回数は、現在、約600回といわれています。戦前には、約1400回も噛んでいたのですから、この数十年の間で、どれだけ私達の咀嚼の回数が減ったかが分かります。ちなみに、卑弥呼のいた弥生時代は、一度の食事で約4000回も噛んでいたのだそうです。

 よく噛むと、こんなによいことが・・・



虫歯の予防:
  噛むことで、唾液がよくでるようになります。その唾液は口の中を自浄する作用があります。また、食物中の酸を中和する作用もあり、虫歯や歯周病の予防になります。

発がんを抑える手助けをする:
  唾液中のベルオキシダーゼという酵素は、体内で発生した活性酸素(発がん性物質を作り出す)の毒性を薄めます。大切なのは、よく噛んで、食べ物と唾液をからませることです。

ぼけ防止:
  よく噛むと、脳血管が拡張し、脳に血液とともに栄養素が流れます。すると、脳は覚醒し、ぼけ防止になります。また、内分泌に刺激がいき、パチロンという物質の分泌が促進されます。このパチロンは、若返りホルモンともよばれています。

肥満防止:
  よく噛むと、味覚が刺激され、ノルアドレナリンという物質が分泌されます。この物質は、全身の細胞の活動を活性化させて、熱エネルギーが出されるため、肥満予防となります。また、よく噛むことで、少量でも満腹中枢が働いて、食べすぎを防ぎます。

胃腸の働きをよくする:
  よく噛むと、消化酵素がたくさんでるため、胃腸の働きを促進します。また、食べ物本来の味が分かるようになり、薄味でも十分満足できるようになり、塩分の摂り過ぎを防ぎます。

●歯にまつわる言い回し(海外編)
 

 昔からの言葉の言い回しにも、歯の重要性を垣間見ることができます。
 (※tooth[トゥース]=歯の単数形、teeth[ティース]=歯の複数形)


「tooth and nail [トゥース アンド ネイル]
「歯と爪」ということですが、これは、爪を立てて歯を噛みしめることから、「力一杯、必死に」という意味です。

「pull teeth [プル ティース]
「歯を引き抜く」ということですが、これは、歯がなくなったら、力が入らなくなってしまうことから、「骨抜きにする」という意味です。「toothless」(歯が抜ける、歯がない状態)も「骨抜きにする」という意味です。

「to the teeth [トゥ ザ ティース]
「歯に至るまで」ということですが、これは、「寸分の隙もなく、完璧に」という意味です。

 古今東西を問わず、歯は力の源、とても重要だということですね。

 80歳になっても自分の歯を20本保つことを目標に、毎日の歯磨きを楽しみながら行なってください。歯の寿命を延ばすことは、健康寿命(健康で明るく元気に生活する期間)を伸ばすことにもなります。
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